寝ても覚めてもすぽーっ!(苦悩するキング・オブ・スキー)

苦悩するキング・オブ・スキー

競技を知る人には切ないニュースです。「スキーの王様」と称されたノルディック複合が4年後、フランス・アルプス地域での冬季五輪から除外されることが決まりました。1924年の第1回大会で採用され、1世紀を超えて実施されてきた冬の伝統競技です。

日本は92年アルベールビル、94年リレハンメルの五輪で2大会連続の団体金メダルを獲得しました。個人でも荻原健司さん(現長野市長)らが活躍し、国内でもなじみ深い競技です。

除外の理由は、人気が限定的で国際的な普及が広がらず、女子種目が五輪では実施されていない、ということでした。

思い浮かぶのは夏季五輪の複合競技で、5種目で競う近代五種です。クーベルタン男爵が考案したとされる伝統競技ですが、テレビ視聴率の低さが指摘され、除外候補にのぼってきました。そのため初期の1日1種目から、現在は1日で5種目に圧縮され、2年後のロス五輪からは馬術に代わり、日本のテレビ番組がヒントとなった障害物レースを加えて争うよう変更を余儀なくされています。

複合競技は、練習、試合とも選手の負担が大きいにもかかわらず、個々の種目は単独で五輪に採用されている例が多く、魅力を差別化しにくい面があります。

3種目の複合競技であるトライアスロンも、近年は競技人口の頭打ちを指摘する声があります。
スキー関係者は34年大会以降の五輪復帰を目指すのかどうか。場合によっては競技の性格を変えるような大胆なアイデアも、必要なのかもしれません。

朝日新聞論説委員 西山良太郎